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千葉 豪
JAEA-Conf 2008-008, p.108 - 113, 2008/11
評価済核データファイルに対するベンチマーク計算をNaボイド反応度の実験データを用いて行った。計算では格子の均質化に伴う不確かさを低減するため、格子の非均質性を炉心計算で陽に取り扱うこととした。Naボイド反応度の漏洩項計算値において、ENDF/B-VII.0とその他のファイルとの間に大きな差異が見られ、本実験解析では、ENDF/B-VII.0の評価値を支持しない結果となった。この漏洩項計算値の相違は、Naの弾性散乱断面積のP1成分における相違に起因していることが感度解析の結果明らかになった。
千葉 豪
JAEA-Conf 2008-008, p.114 - 120, 2008/11
信頼性の高い炉物理計算のためには、高精度な自己遮蔽多群断面積が必須である。本研究では、多群ライブラリCBGLIBを開発した。CBGLIBはSRACライブラリと同様の107群構造であるが、以下の方策を導入することにより、SRACライブラリと比較して高い性能を示す。その方策とは、(1)エネルギー群,核種依存のベル因子の設定,(2)複数核種からの共鳴干渉を考慮するための多重R因子の適用,(3)粗群構造に起因する誤差を相殺させるためのベル因子の調整、である。CBGLIBの妥当性は、軽水炉ピンセル計算,TCAの炉心計算により確認した。
柴田 恵一
JAEA-Conf 2008-008, p.7 - 12, 2008/11
旧原研シグマ研究委員会の次期JENDL検討小委員会においてJENDLの第4版JENDL-4の開発が推奨され、シグマ研究委員会で承認された。JENDL-4の開発は原子力機構の核データ評価に関する中期計画の中核を成す。JENDL-4は革新的原子炉開発,軽水炉の高燃焼度及びMOX燃料利用,臨界安全,燃焼度クレジット,基礎科学等の分野への適応を考慮して開発される。核データとしてはFP及びMAデータの信頼度向上に重点が置かれる。本発表ではJENDL-4開発の経緯,コード開発及びFP・中重核の評価状況等について報告する。keV領域以上の核データを評価するのに必要な核反応モデルコードPOD及びCCONEを開発した。これによりFP及びMAの非共鳴領域断面積を純国産のコードを用いて精度よく求めることが可能となった。FP領域の評価では、最新の実験データを用いて、低エネルギーの断面積を再現するのに必要な分離共鳴パラメータを107核種について改訂した。一方、高エネルギー領域では、FP領域をカバーするチャネル結合光学模型パラメータを決定した。これを用いて、現在、断面積評価が精力的に行われている。JENDL-4の開発は予定通り進んでいる。来年の3月末には、アクチノイド核種部分をまとめたJENDLアクチノイドファイルが完成する。
原田 秀郎
JAEA-Conf 2008-008, p.20 - 25, 2008/11
MAの正確な中性子断面積を整備することは、現在の核データ研究分野の重要課題となっている。この10年間に、MAの中性子断面積を測定するために多くの試みが行われてきた。これらの研究により、現在のデータ間に存在する差異の原因が明らかとなってきた。Npの中性子捕獲断面積を例に、現在の測定研究の現状と進捗をレビューする。また、今後の核データ測定研究上の重要課題と、その解決策について議論した。